簡単な写真測量について(はじめての写真測量)

変更日 Mon, 25 Apr 2022 で 09:13 AM

はじめに

   写真を使い、「写真測量」と聞くと難しく感じてしまう方も多いかと思います

   しかし、写真測量とは人間の両眼で奥行きを見ている作業と同じことをPC上でやっているだけです

   肩の力を抜き、簡単に読んでみてください。

   はじめての写真測量はそのようなご説明をします



UAV(ドローン)の画像利用  

      「写真」としての利用

          写真に写った情報を活用

          簡単で誰でも理解できるアナログ的な利用


      「計測」としての利用

          複数枚のステレオ写真から3Dモデルを作成

          位置・サイズ・距離・体積等計測可能なデータをデジタルとして利用



UAV(ドローン)写真を使う利点

   例えばトータルステーションのような、従来機種で大きな現場の土量計算を行ったと想像してください

   端から計測作業に入り、終点の端に行くころには最初のポイントは変わっているイメージがあります

   つまり、「時間」経過が内容物を変化させてしまう可能性があります。 しかし、写真で一気に撮ってしまえば、そ

   の時点の情報が記録されるはずです

   また、広域な計測には写真測量が有利な条件です



UAV(ドローン)写真を使う弱点

        雨天は飛行不可(飛ばせる機体もあるが)  カメラレンズに水滴がつくことがあります


        強風は飛行機健 小型機になればなるほど風には弱いとされています


        樹木下は撮影不可能 写真を使っている以上樹木や家屋等下が写真に写らない場合は不可です



単写真とステレオ写真の違い

        片目では丸と三角の両方は見えるが2つの奥行き感まではわからない

  

         両眼だと丸と三角の両方は見え2つの奥行き感までもわかる 


     写真測量はこの「両眼で見る」を利用したシステムです 原理的にはすごく簡単な事を行っています



写真計測の簡単な考え方

   撮影高度50mとした場合・・・・・・・

    単純に目の高さが50mの巨人が街を見下ろしたと考えてみてください

    人は両眼で同時に見えるものは立体的に認識でき、無意識のうちに自分からポイントaまでの距離を脳が測ります

    ただし、人の場合は目の歪みや間隔は生まれつき補正されており、その感覚は一定です

    写真計測ではこの「歪み」や「間隔」や「傾き」をソフト内で算出し、見た時の状況を再現して距離を測定してい

    ます。  また、もし人の目に座標値があれば、測定した座標値も算出できます



写真計測の簡単な原理


   ①オーバーラップ(隣の写真との重なり)とサイドラップ(隣のコースとの重なり)をしっかり考えてUAV(ドロー 

    ン)で撮影を行います 写真を横並べにすると、このように見えます

   ②写真をただ重ねてみました 計測範囲に穴が無いか確認します  まだこの時点では何の補正もしていません

   ③写真1枚にはコンクリート端や白線・石・切り株等、特徴となる箇所が数多く映り込んでいます

    これは隣の写真も同様の箇所が映り込んでいます

    これらの箇所を同じ場所と考え、繋げて行きます この時に写真一枚毎にレンズの歪みがあり補正は行います

   ④同じ個所を重ねてレンズ補正を行うと、計測カ所を1つのブロックとしてエリアが作成されます

    ただし、このブロックは地球上のどんな縮尺か、どの位置か、どんな傾きか等がわからない状況です

    作成された画像モデルの中に数点対空標識(エアロボマーカー)が映り込むようにします

    画像モデルに映り込んだ対空標識(エアロボマーカー)は座標値(X座標・Y座標・H座標)を持っています

    座標モデルからこれらの対空標識を読み取ることで、それまで不明だった画像モデルの位置・縮尺・傾きが補正さ

    れて実座標とリンクした形になります

     上図のように例えば「魚焼きの網」(実際は㎝単位の小さな網)をかぶせて、交点の色・座標値(X座標・Y座

     標・H座標)を計測します

     左右の写真から同じポイントを見ると算出できるようになっています。ただし、この作業は全てソフト側で行う

     作業となります

     ここで算出された点の集まりを「点群」と呼びます


     点群さえ出来上がれば後処理ソフトウエアを使用することで、コンタ図(等高線図)や体積計算や縦横断計測等

     求める事が可能になります



写真計測の弱点


     上図のように左カメラ(左画像)と右カメラ(右画像)に似たような地形・地物が写っていた場合、ソフトウエ

     アが間違って違ったものを同一点として計測してしまう可能性があります

     上図の場合は実際の高さより高く計測してしまいますが、逆に低く計測してしまう可能性もあります。

     施工前の土地や河原のような場所では、このようなミスマッチは起こりにくい検証がありますが、アスファルト

     のように左右で同じような場所では起きやすくなります

     他の測量機器でも誤差は発生しますが、プラスかマイナスと決まった方向に出ます 写真計測の場合どちらにで

     も出る可能性があります

     これは写真測量の特性でありソフトウエアで完全に取り除くことは不可能です



写真計測は、最終的に「点群」を作成することを目的としています

点群さえできれば後処理ソフトウエアで最終的な土量計算や縦横断等色々計測することが可能です

点群作成にはGNSSやトータルステーション等、数々のハードウエアがあります。 写真計測は「より広く・より早く」計測できると考えられます。


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