0. はじめに(用語の説明)
後処理キネマティック解析(PPK処理)では、以下表に記載のデータが必要となります。
ファイル項目 | ファイル形式 | 必須 |
空撮画像 | jpg. (DJI社 Phantom4 RTK, Mavic3 Enterprise, Aerosense社 MC03-PPKに対応) | ◯ |
PPK用カメラ位置情報補正ファイル | カメラシャッター時刻がGPS時刻形式でかかれたテキストファイル | ◯ |
PPK用ドローンのRINEXファイル | 機体GNSS受信機の観測ログ. RINEX OBS フォーマット | ◯ |
PPK用現場基準局のRINEXファイル | (現場内に設置した) 基準局GNSS受信機の観測ログ. RINEX OBS フォーマット | |
検証点位置情報ファイル | 検証点の位置情報ファイル. CSV形式. (エアロボマーカーの場合は、マーカーの観測ログ(.log) ) |
1. 画像のアップロード
写真 > アップロード
写真メニューを選択.
「写真のアップロード」を選択し、空撮画像をアップロード.
2. PPK用カメラ位置情報補正ファイルおよび、PPK用ドローンのRINEXファイルのアップロード
PPK設定 > ファイルをアップロード
1. 「PPK設定」メニュー をクリック
✳︎ここで、RINEXとは、ドローンのGNSSレシーバで計測された観測ログのRINEXファイルを意味します。
2. 「ファイルをアップロード」をクリック(①). カメラ位置情報補正ファイル(.MRK) および ドローンのGNSSレシーバで計測されたRINEX OBSファイル(.obs)をファイルアップロードエリアにドラッグ&ドロップし、アップロードします.(②)
(✳︎)カメラ位置情報補正ファイル(.MRK) および、ドローンのGNSSレシーバで計測されたRINEX OBSファイル(.obs)は、通常、画像フォルダ配下にあります。また、ファイル名の先頭文字列部(下記例では、100_0012_xxxxx の文字列"100_0012"は、MRKファイル、RINEX OBSファイルで同一である必要があります。)
3. アップロードしたファイルは、「設定状況」にて確認できます(下図赤下線部).
(✳︎✳︎)【複数のフライト画像を一度に解析したい場合は?】
対象となる画像、カメラ位置情報補正ファイル(.MRK) および ドローンのGNSSレシーバで計測されたRINEXファイル(.obs)をすべてアップロードしてください。
(まとめて1回でアップロードすることも、2回にわけてそれぞれアップロードすることもできます.)
たとえば、2フライト分のカメラ位置情報補正ファイル(.MRK) および ドローンのGNSSレシーバで計測されたRINEXファイル(.obs)をアップロードした後、「GCP」> 「設定状況」にて 2フライト分のカメラ位置情報補正ファイル、ドーロンのGNSS RINEXファイルが登録されています。
下の例では、"100_0012_xxxxx、および 100_0013_xxxx"。
3. (オプション)PPK用 現場基準局のGNSS観測ログ(RINEXファイル)のアップロード および、現場基準点座標の入力
PPK設定 > ファイルをアップロード > 次へ > 現地基準局のRINEXファイル
同ファイルを指定しなくてもPPK計算は可能です。この場合、PPK基線解析における基準局として、現場最近傍の電子基準点観測ログを自動で取得し、PPK基線解析を試みます。一般的に、電子基準点までの基線長は、10km程度と、長距離のため、得られる座標精度は、低くなる傾向にあります(fix率が低くなる傾向にある)。従って、本設定による現場基準局を使用することを推奨します。
1. 「PPK設定」メニュー をクリック
2. 「ファイルをアップロード」をクリックし、右下の「次へ」ですすめる
① 基準点のGNSSローバー観測ログ(✳︎)を選択し、「現場基準局のRINEXファイル」エリアに同ファイルをドラッグ&ドロップする
② 基準点の座標値、アンテナ高を入力します. 座標値は、X, Y, Zとして、緯度経度(10新表記)、または、平面直角座標系での値を設定してください。アンテナ高については、入力は任意です。
③ 「保存」をクリック
(✳︎)2周波GNSSローバーによるGNSS観測ログファイル(RINEX OBSファイル)を推奨しています。同ファイルの格納場所は、お使いの2周波GNSSローバーのマニュアルを参照してください。また、拡張子が、.22oや、.o の場合がありますので、.obsに変更してください。
本画面でPPK用現場基準局を入力した状態で、検証点として、エアロボマーカーを使用した場合(次項)、本画面で入力した現場基準点情報を使い、基線解析を行います。
4. 検証点の設定
成果物の精度を評価するため、検証点を設定します。検証点は、エアロボマーカーを使う場合、エアロボマーカー以外の一般対空標識を使う場合の2つの方法があります。
「GCP」メニューを選択
1-① エアロボマーカーを使う場合
GCP>アップロード>エアロボマーカーログ より、エアロボマーカーログ(✳︎)をアップロードする。
(✳︎)エアロボマーカーログとは、エアロボマーカーにより取得した独自フォーマットの観測ログファイル(拡張子 .log)を指します。エアロボマーカーからUSB経由で、取得できます。
1-② エアロボマーカー以外の一般対空標識を使う場合
GCP > GPSデータ座標 > マーカー読込(CSV)より、一般対空標識の座標値を登録する。
(右側のプラスボタンにより、手動で追加することもできます)
(✳︎)マーカー読込で参照するCSVファイルは、以下のフォーマットとする。
マーカーID(任意の数字), X座標(or 緯度), Y座標(or 経度), Z座標
(例)
1,-44065.2593,22803.7574,3.7611
2,-44045.1592,22833.9728,3.5241
3,-44004.8806,22791.9157,5.7501
4,-43970.6121,22784.5362,3.2291
5,-43986.5786,22751.5198,5.5591
2. 検証点を設定する
GCP > GPSデータ座標 より、すべてのマーカーの検証点チェックボックスにチェックをいれる(最上部のチェックボックスにチェックを入れると一括ですべてのマーカーを検証点設定できます).
チェック後、左上「保存」をクリック
5. 成果物の座標系の設定、確認
点群やオルソ画像などの成果物の座標系を指定します。
詳しくは、「座標系設定」を参照してください。
6. 計算開始
計算 > 写真測量(PPK)> 写真測量
PPK写真測量計算では、「PPK基線解析」「マーカーの自動割り当て」「モデル生成」がそれぞれ個別にチェックでき、チェックされた項目のみ処理されます。例えば、「PPK基線解析」のみを実行し、PPK精度を確認した後、後段の「モデル生成」処理などを実行するといった使い方が可能です。チェック後、画面最下部の「計算開始」ボタンをクリックし、計算を開始します。
「計算」メニューを選択。
計算 > 写真測量(PPK) >「写真測量」タブをクリック
設定した内容は、「設定情報」に記載されます。また、指定した処理に対して、計算条件が満たされているか否かが、「チェックステータス」に記載され、満たされていない条件については、赤色で表示されます。
① PPKによるカメラ位置補正のチェック
「PPKによるカメラ位置補正を行う」をチェックすると、PPK基線解析が実行され(初回のみ)、モデル生成処理時にPPKによるカメラ補正位置が使われます。
一度PPK処理を実行すると、そのPPK基線解析結果を、使いまわせるようになります。再度、PPK基線解析を実行したい場合、「PPK基線解析の再計算を行う」をチェックします。
② 対空標識(GCP)の自動/手動割り当てのチェック
モデル生成時に、標定点や検証点を使う場合、「対空標識を使う」をチェックします。
初期設定では、「手動割り当てを行う」が有効となり、事前に【GCP】画面にて、手動で画像と対空標識を対応づける必要があります。
一方、「自動割り当てを行う」をOnにすると、画像と対空標識とを自動で割り当てます。その際、設置した対空標識のタイプに応じて、「エアロボマーカー」「一般対空標識」をチェックしてください(両方同時チェックも可能です。)
③ モデル生成のチェック
モデル生成」をチェックすると、写真測量処理(sfm処理)を実行し、3D点群やオルソ画像などの成果物が作られます。
計算中の進捗状況は、①「DOWNLOAD」>「処理の進捗」にて、計算後の成果物は、②「DOWNLOAD」>「ダウンロード」にて行います。
「ダウンロード」メニューを選択。
① DOWNLOAD > 処理の進捗
a) 処理のキャンセルボタン。なお、同一フライトであれば、何回キャンセルし処理をやり直しても、課金されません。
b) 進捗状況の更新ボタン
② DOWNLOAD > ダウンロード
1. 計算後、オルソ画像(「2Dデータ」タブ)や、点群(「3Dデータ」タブ)や、画像処理レポート(「レポート」タブ)がダウンロードできます。欲しいデータのタブ右端をクリック。
2. データ項目(=ダウンロードURL)をクリックすると、ダウンロードが開始される。
10. 計算精度の確認
PPK基線解析結果は、GCP > ロケーション > PPK結果 より確認できます。図中緑色線は、fix解、赤色は、float解を表します。
点群精度については、別章「レポートの見方」を参照してください。
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