はじめに
エアロボマーカーはL1波受信のGNSS受信機(2級)になります
国土地理院の2級GNSS受信機の認定を受けていますので公共測量の基準点測量を行うことは可能です
基準点~新点、新点~新点の距離や接点数は各等級によって違ってきます
詳しくは公共測量作業規程を熟読いただき、正しく守っていただきますようお願いいたします
高さ(標高)について
エアロボクラウドでは測位処理(放射計算)と基準点測量計算(基準点計算)がありますが、基準点測量を行う場合は必
ず基準点測量計算(基準点計算) を使いましょう
大きな違いは計算方法と求める高さの場所です
測位処理ではエアロボマーカーを写真測量用のマーカーと考え、計算結果の高さはマーカーの上面です
基準点測量計算 では地面の高さ(標高)が出ます つまり、地面高(GH)や杭高がでることになります
エアロボマーカー上面と地面や杭までの高さをmm単位で測定する必要があります
エアロボマーカー単体を基準点上に直に設置することはお勧めできません マーカーの水平度等が関係したり、マルチパ
ス(反射波)等を受信してしまう可能性があるためです
出来ればオプションの三脚アダプターを使用し三脚上に設置することをお勧めします
三脚アダプター
この状態で三脚上に設置しましょう
アンテナ高はエアロボクラウド上面から基準点・新点上まで計測しましょう
観測時間
エアロボマーカーの電源ボタンONだけでは60分後に自動的にOFFになってしまいます
GNSSでの基準点測量の大原則は「ベクトルが発生する点間は、同時に同じ衛星を同じ時間だけ計測する」になります
つまり余程息を合わせて「せ~の」で電源ONしても厳密に60分間重なることは難しいと思います
このような場合は「長時間モード」を使用します 使用方法についてはエアロボマーカー使用方法をご覧ください
例えば10:00観測開始で11:00観測終了とします この場合、10:00以前に電源ONして11:00以降に電源をOFFすれば問題
はありません
ダウンロード
ダウンロード方法を簡単に記します
詳しくはエアロボクラウドのダウンロードをご覧ください
GCP画面で「アップロード」⇒「観測ログ」⇒「エアロボマーカーログ」から受信機データをアップロードします
画面上にはアップロードされた点が表示されます
基準点座標の入力
GCP画面の「網平均計算パラメータ」で基準点座標や点名・アンテナ高(機械高)を入力します
網図の自動生成
GCP画面のロケーションに戻り、上部の「網自動生成」をクリックします
若干時間がかかり網図が表示されます
上図のような網図が自動生成されます マウスのクリックで網図を消すことも可能です(追加も可能)
網図が完成したら、上部の「保存」を押して網の形を保存します
「計算」を選択し、基準点測量計算に入ります
以上で基準点測量作業は終了です
基準点測量の考え方
1.電子基準点のみを与点とした4級基準点測量が可能か?
基準点測量では「飛び級」は許されません 公共測量作業規程には与点から新点間の距離も表示されてます
1級・2級・3級と飛び越えて4級基準点を作成するのは不可能です
2.電子基準点間が短いとして通常の公共測量に電子基準点のみでの座標は使用できるか
電子基準点での座標を基本座標といい、公共基準点の座標を公共座標といいます
一般的に基本座標≠公共座標の場所が多く存在します 電子基準点を与点とした場合、現場の公共座標とはずれ
た関係になってしまいます このままでは測量等は行えません 自分がこれから行う作業が基本座標か公共座標
かを確認しましょう
3.全ての基準点測量がエアロボマーカー出来るか
エアロボマーカーはL1波のみ受信する2級GNSS受信機です
GNSS受信機があれば、全ての基準点測量が可能というわけでもありません
もちろん10㎞以下のスタティック測位や短縮スタティック測位は可能になります
公共測量作業規程を熟読の上作業に着手しましょう
4.エアロボマーカーで長時間計測すると10㎞以上の長基線も計算できますが使用に問題はありませんか
エアロボマーカーとエアロボクラウドの性能からして長基線の観測や計算も可能です
しかし、それは「計算できる」の範囲であって各種補正計算(電離層補正等)は行っていません
従いまして計算はできたとしても信頼できる結果ではありません
5.閉合多角網・結合多角網・単路線方式等全ての計算方式に対応していますか
全ての形に対応しています 自分で形を変形させることで全てに対応します
6.新点は与点に囲まれた形で生成しますか
トータルステーションの網平均計算と同じです 与点(基準点)を結んだ形の中から新点が大きく外れているよ
うでは基準点測量として計算は正しく行えません
基準点測量計算結果
計算の結果は段階を踏み結果を確認して問題を確認していきます
1.観測記簿による結果
GNSS測量観測記簿において「解の種類」がfixであるか確認します
fix解が出ているということは基線解析では問題なく計算で来たと確認します
途中の重複チェック等のチェックが全て制限内であると確認します
仮定網平均計算の値が制限内であることを確認します
実用網平均計算の値が制限以内であることを確認します
これら全て制限内に入れば、観測自体も与点間制度も全てが制限内に入ることになります
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